2012年5月11日金曜日

「大使たち」は平家物語

まずロンドンでは友人とロンドンナショナルギャラリーへ!
名画に会えるのはドキドキします。ある部屋を入ると・・・
ありました!ハンスホルバインの「大使たち」!!

ナショナルギャラリーの代表作の1つです。
この絵はイギリスに派遣されたフランス大使(左)に、友人の司教(右)がフランスから会いにきたところを描いています。二人とも貫禄ありますね!

でもこの絵、それだけを描いているのではありません。

まず読み解く前に、この二人が生きた時代にはイギリス史上最悪の王様、ヘンリー8世という人がめちゃくちゃに国を支配していました。例えば1番目の奥さんと離婚するために国の宗教を変えちゃったり、まわりの人を罪もないのに反逆罪で死刑にしたり、怪しい死に方の人満載です。
ようするに暴君が権威を振るっていたわけです。

さて、このヘンリー8世を踏まえて、二人の間にある意味ありげなものたちに注目しましょう。
いすの上の開かれた本はふたつの宗教が一緒に使っていた讃美歌の楽譜、それを弾くはずのリュートは、弦が壊れて弾けません(ふたつの宗教が対立しているということ・・・ちょっとみえにくいかな)。

リュートの隣にある定規がはさまった本には割り算の式(これは割るというイメージ。宗教や廻りの国々との対立)・・・・などなど、その他の小道具にもいろいろ意味があります。

絵の中の二人はそんなイギリスを偵察するためにフランスから派遣された人たちです。

そして最後に二人の足元にはドクロが!(横からはっきりと見ました!)
これはわたしが思うに、画家が最大の皮肉を隠して描いたのではないかと思うのです。

そう、あの有名な平家物語の冒頭
   「 盛者必衰のことわりをあらわす
    奢れる人も久しからず
    たけき者も終には滅びぬ   」
つまり、どんな暴君非道な人も最後には死が待っているということですね。
死からは逃れられない(ヘンリー8世は梅毒死です)。


・・・いかがでしょうか?ちょっと長かったかもしれませんが、すぐれた絵画にはたくさんの
ミステリーが隠されているのです☆


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